何度も話しかけ続ける―「人間が変わる瞬間」この瞬間をいつも待っています
やはり、奇跡はありますね。
先日、授業が終わった後、私の背中を、
たたくというより、何だか、こするというのか、
さも遠慮深そうに、触っているのを感じたのです。
はじめはまさかたたかれているとは感じません
でしたし、これが人間の技であるなどとは
信じられませんでしたから、背中を何がむずむず
しているのやらと思って、振り向くと、そこには、
こともあろうに、山ちゃんがいたのです。
今まで何度も、「山ちゃん、単語おぼえようよ」と言っても、
全然反応も示しませんでした。
その彼女が、「今日の話を聞いて、単語帳に興味を持った」
と言うのです。
いやいや、これはまさに奇跡です。
本当に今まで、何度も話しかけ、その度に、
「そんな暇はないの」と断られ続けていましたから、
彼女には私の話は絶対に通じないのだと観念してしまいそうに
なっていたのです。
「単語帳はどこに売っているの？」と彼女は聞くのです。
びっくりです。「本屋さんに行ったら売ってるよ」というと
「それなら買ってみる」と言ったのです。
奇跡はほんとうにあるのですね。
この人間が変わる瞬間がもっとも面白いのです。
この瞬間をいつも待っています。
リトルアメリカ教育センター
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