おはこ

リトルアメリカ

2017年03月07日 06:58

 花さそう、嵐の庭の雪ならで、
ふりゆくものは我が身なりけり・・・

これもやはり弟の“おはこ”でした。

 何故かと言うと・・・実は面白いことなのですが、我が家の

この札は真ん中で折れていて、それを修理するのに、父親が

紙をぐるぐる巻きに張っていて、それに墨で字を書きこんで

いたのです。

 新品を買いなおすとしたら、まだ高価だったのでしょうか?

 とにかく修理して使っているという時代でした。


 さて、こんな’はちまき’の札がもう一枚あり――それは

ホトトギス・・・という歌でしたが、この歌は一枚札でしたので

大人たちはすぐ手元に並べていて、他の人から決して

取られないようにしていましたから、私たちが手を出して

取るというわけにはいきません。


 だから自動的に花さそう・・・だけがターゲットになって

いたのです。

 これもまた弟の持ち札でしたから、彼が必ず取っていた

のです。

 また父親は、よく取る側よりも、読む側にいるときも

多かったので、そんなとき・・・花さそう・・・振りゆくものは

“はちまき”なりけりとふざけて読んだりしていました。


 そのころ私はどんな歌が“おはこ”だったのか覚えて

いませんが、やはり私も、好きなたった一枚の札のために

参加していたのだと思います。

 長い一回のゲームの間、たった一回のチャンスにかけて、

じっとそこに座っていたのです。

 そして一枚でも取れれば、その日は幸せだな――と

感じていたのだと思います。


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