おはこ
花さそう、嵐の庭の雪ならで、
ふりゆくものは我が身なりけり・・・
これもやはり弟の“おはこ”でした。
何故かと言うと・・・実は面白いことなのですが、我が家の
この札は真ん中で折れていて、それを修理するのに、父親が
紙をぐるぐる巻きに張っていて、それに墨で字を書きこんで
いたのです。
新品を買いなおすとしたら、まだ高価だったのでしょうか?
とにかく修理して使っているという時代でした。
さて、こんな’はちまき’の札がもう一枚あり――それは
ホトトギス・・・という歌でしたが、この歌は一枚札でしたので
大人たちはすぐ手元に並べていて、他の人から決して
取られないようにしていましたから、私たちが手を出して
取るというわけにはいきません。
だから自動的に花さそう・・・だけがターゲットになって
いたのです。
これもまた弟の持ち札でしたから、彼が必ず取っていた
のです。
また父親は、よく取る側よりも、読む側にいるときも
多かったので、そんなとき・・・花さそう・・・振りゆくものは
“はちまき”なりけりとふざけて読んだりしていました。
そのころ私はどんな歌が“おはこ”だったのか覚えて
いませんが、やはり私も、好きなたった一枚の札のために
参加していたのだと思います。
長い一回のゲームの間、たった一回のチャンスにかけて、
じっとそこに座っていたのです。
そして一枚でも取れれば、その日は幸せだな――と
感じていたのだと思います。
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