2015年12月20日

安楽死について

 先日、オランダ人留学生のショーンが驚くべきことを言ったのです。

 彼が言うにはオランダでは、安楽死が認められているのだという

のです。

 もちろん、その条件は厳しく、患者が痛みに耐えかねていて、2人の

ドクターがそれを認めた場合のみ可能だというのです。


 私はびっくりして、「すごい革新的なことですね」といったのです。

 すると彼は「日本ではどうしてそんなことが認められないのですか」

と聞かれました。

「ぐっつ」・・・この質問には、どう返事していいのか、一瞬、困りました。

 日本ではどうして認められないのでしょうか?


 かなり以前のことですが、こんなことがありました。

 ある患者の親戚の人たちが、あまりに患者が苦しむのを見かねて、

お医者さんに「どうか彼を苦しみから解放してやって欲しい」と頼んだの

でした。

 私も明確な記憶があるわけではありませんが、たしか・・・その先生は

親族の人々の依頼に、自分でも納得したのではないでしょうか?

 彼らの懇願を入れてその患者を死なせたといった事件だったと思い

ます。

 しかし、この事件にはさらに重大な問題が発生したのです。

 実際、依頼したはずの親族が「そんなことを依頼したはずがない」と

言い始めたのでした。

 このため、担当の医師は訴追されることになったといった事件でした。


 この事件の詳しい内容について私は明確に知っているわけでは

ありませんでしが・・・この事件のあらましを彼に説明して、

「日本の医療に携わっている人々は、慎重に対処しないわけには
 いかないからではないでしょうか」という返答をしました。

 実は、この問題は、私たちが本気で議論しなければいけない時期に

来ていると思います。


 私も弟を、がんで亡くしました。 そのとき、死んで行く人がどうして

このような苦しみを味合わなくてはいけないのかと何度も自問しました。

 私は仕事を休んで、約1週間彼のもとについていました。

 毎日、毎日彼が苦しむのを見て、この苦しみをどうかできないのか、

何故意味のない苦痛を経験しなくてはならないのか?


 弟の嫁も「どうかして欲しい」と思って担当の医師に相談したらしい

のですが、どうにもできないということでした。

 彼が苦しむとき、私はまるで自分の身が切り刻まれているという

感じさえしていましたが、おそらく、彼女はもっとつらい気持ちだったと

思います。

 彼が死んだとき、「ようやく解放されてよかったね」と言う気持ちが

一番でした。しかし、その夜、横浜の弟の自宅に戻って、少し眠った

後でした、階段をはさんだ隣室からものすごい大きなうめくような

泣き声が聞こえてきたのです。

 弟が死ぬ瞬間までは、彼の苦痛を軽くしてやりたいとばかり思って

いたのに、いざ亡くなってみると、その寂しさがどっと襲って来たの

でしょう。


 もし苦痛がなければ、いくらでも生きていてもらいたいはずです。

 でも・・・苦痛をともなうのなら・・・

安楽死について
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2015/11/21
yesterday ~話せるためのサークル活動『リトル会話サークル』より~



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