2017年12月03日

厳しい現実

 先日からの、キプロス人の先生の話…

 紛争の後、対立する勢力の均衡の上に平和が

保たれているキプロスから来た彼女に、

「これからもキプロスで住みたいですか?」

と聞いてみました。

 すると即座に「キプロスには住みたくない」という

返事でした。

 「自分の国に住みたくない」 という気持ちを理解

できますか?

 彼女が言うには、「日本から帰ったら、一旦

キプロスに住むことになるけど、でもそこでずっと

住み続ける気持ちにはなれない」と言うのです。

 こんな気持ちを、平和な日本に住んでいると

なかなか理解をするのは難しいですね。

 よその国の現実は、想像以上に厳しいものが

あります。


 さらに彼女は言います。

 キプロスには中央部に高い山があり、その

頂上に大きなトルコの旗が誇らしげにひるがえって

いるというのです。

 キプロスの半分が今はトルコの支配下に

はいっています。

 「それはすごく腹の立つことではありませんか」

と聞くと、彼女はすこし涙ぐみながら…

「その旗を見ると本当に悲しい」と言っていました。


 やはり平和はいいものです。

 ただ、今の日本の平和が何の犠牲も払わず

与えられていて当然だと思っている人も多いと

思います。

 しかし実際には、日本も敗戦という困難な

時期を経て現在の平和があるのです。

 彼女の話で、私たちも、今の日本の平和が

いかに大きな犠牲と微妙な均衡の上に成り立って

いるのかを、考える良いチャンスだと思いました。


 私たちは彼女の話でキプロスという国に興味を

持ったので、「もっと詳しく知りたいので、英語で

書いた本はありますか」と聞いたら

「たくさんの本があります」という答えでした。

 彼女は「是非読んでほしい」ということで、次に

会う時までには、いい本を見つけてくれるという

ことでした。

厳しい現実
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